医薬品ヒルドイドを化粧品のように使用するリスク

「ヒルドイド」という名前を聞いたことはありますか？ヒルドイドは医薬品の製品名で、配合されている有効成分はヘパリンの類似物質です。皮膚科で処方してもらう治療薬として知られていますが、美容目的で処方箋を書いてもらって処方してもらうケースが増えたことが問題になりました。

ヒルドイドは血行障害を改善し、炎症を抑える作用があります。
また、細胞間脂質が持っているラメラ構造の回復を促したり、MNF（天然保湿成分）を増加させるなどの作用があり、その保湿効果が注目されて美容目的で処方を求める人が増えてしまいました。

医薬品を化粧品のように使用することは大変危険なリスクを伴っています。
主に皮膚の血行促進や保湿、炎症の軽減に使用される医薬品を美容成分として使用することが、なぜ危険とされるのでしょうか？

ヒルドイドは医薬品ですので使用する際には医師の指導や処方に従う必要がありますが、自己判断で美容目的に使用すると、期待した効果が得られないだけでなく、肌トラブルを引き起こす可能性があります。

治療としての効果を求める医薬品は短期間の使用を想定した上での安全性が確認されています。一方、化粧品は自分の肌に合えば長く使い続ける人が多い傾向にあり、長期的に使い続けられるようには作られていません。長期間の使用や過剰な使用により、皮膚の薄化、皮膚炎、アレルギー反応などの副作用が生じることが懸念される他、ヒルドイドを他のスキンケア製品と併用することで、成分の相互作用が起こり思わぬ肌トラブルを引き起こす可能性もあります。

日常のケアを目的に継続することを想定していないヒルドイドは、一部の病気にかかっている人に使用を禁じられる制約もある製品です。皮膚科で処方してもらう治療薬を化粧品のような目的で使用することは避けましょう。